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2018年9月10日 (月)

発情・予防の治療について

発情は年に2回ほど強くなる時期があります。12月~4月の時期が最も強く出る時期ですが、もう一回が夏の終わり(秋)です。暑さが一段落して涼しくなってきたときになります。2023年10月の時点ですでに卵つまりなどの症例が来院されています。

 

 鳥さんが産卵するのは当たり前と思われている方も多いと思いますが、人間のお産を思い返してみてください。現在は医療の進歩が有り、普通のことですが、その昔は命を落とす方もたくさんいらっしゃいました。現在であっても100%安全と言うことではありません。

 つまり産卵は危険を伴う物なのです。そして飼育下においては、知らず知らずのうちに産卵を助長してしまっているのです。そのため、慢性の産卵や異常産卵が起こってしまうケースが多く見られるのです。重度に進行すると生命に関わることも多く見受けられます。

 

発情予防の治療は内科療法、環境、食事管理等によりおこなっていきます。どの治療法が必要かは鳥さんそれぞれによってかわります。風邪の治療などと違ってお薬を飲んで治ったらおしまいというものではなく、つきあっていくものだという認識も持ってください。

産卵をしていないので大丈夫だとおもって、投薬・検診を自己判断でやめられている方もいらっしゃいます。しかし卵管などの疾患が進行し、内科療法では対応できない状態になってしまうケースが多く見受けられます。投薬途中の場合は発情が収まっていない可能性が高いため、自己判断での休薬はおすすめできません。飼い主さんがわからない状態で病態の進行の可能性がありますので継続されるのをお勧めいたします。


また、休薬をされている場合も定期検診をされることを強く推奨いたします。

 

 

 

産卵に伴うトラブルの例

 

・卵詰まり:卵が詰まってしまって出ない状態です。便や尿も出ず、痛みも伴い、状態は急激に悪化します。

 

・卵管脱:卵詰まりや産卵直後に認められます。肛門から反転した卵管が出てきてしまっている状態です。多くが痛みにより自分で咬んでしまい、出血、炎症を起こしています。急激に状態が悪化します。

 

・卵墜:卵管になければいけない卵が腹腔内に落ちてしまっている状態です。手術で取り除かない限り卵がでることがありません。

 

・ヘルニア:発情に伴っておなかの一部が出っ張ってしまう状態です。初期の段階は無症状です。ヘルニアの中に腸管が入り込んで癒着、狭窄を起こし、腸閉塞を起こすと急激に状態が悪化します。初期の段階での治療が重要です。

 

・卵管炎:卵管内の卵材(卵の材料)、卵詰まり・卵管脱にともなう卵管の炎症

 

・卵墜性腹膜炎:卵墜に伴う腹膜炎です。

・卵管蓄卵材症:卵の材料が卵管の中に蓄積しておなかが大きくなり、卵墜性腹膜炎や卵管炎を伴う状況です。

 

以上を踏まえてご家族の皆さんにお願いがあります。

 

産卵をしていること自体がすぐ異常と言うことではありませんが、もし現在産卵をしているのであればお早めにご相談ください。発情、産卵を予防するもしくはサポートをすることにより、多くの病気は予防ができます

 

症状が進んでからでは治療が困難になるケースも少なくありません。是非発情・産卵に伴うトラブルの予防をしましょう。

 

 

 

こんなことが当てはまればお早めに診察を受けて下さい

 

・定期的に産卵が続いている

 

・産卵の前後で調子が悪い

 

・文鳥で産卵前後からびっこが認められる

 

・おなかの一部が出っ張っている

 

・産卵を以前していたが、おなかがだんだん大きくなってきた

 

・産卵した卵がやわらかい。非対称な形。小さい。血液が付着していた。

 

・尿や便に血液が混じる

 

・おしりから赤い物がぶら下がっている

 

 
下に行くほど緊急性が高くなります。様子を見ず、早急に病院にて診察を受けて下さい。

 

鳥の発情は冬は1月~4月くらいまでがピークです。この期間を安全に過ごすためにもこまめな検診と発情予防をしていきましょう。

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